わたしは日本に生まれたから、
日本の存続を乞い願うのである。
しかし今の日本を見ていると、
危機感だけが増長増大してゆく。
史上かつてない日本の精神弛緩であり、
国民意識の欠如である。
うすっぺらな幻影的繁栄がいつまで続くか。
しっかりした背骨を持たない民族は、
ひとかたまりもなく重圧に屈してしまうであろう。
国土を愛し、そこに住む鳥獣を愛し、
草木を愛し、祖先から受け継いできた言葉を愛し、
愛の真実さの中に生きてゆく、
それがこれからの真の宗教なのである。
真民さんは、日本のことを念頭にこの詩を読まれていると思います。
しかし、生態系破壊などの環境問題、社会経済のグローバリズムが進行する中での偏狭ナショナリズムの高まり、国内外の所得や希望の格差問題など現代社会が抱える課題を見渡すと、この詩の普遍性の高さに改めて気づかされます。
「しっかりとした背骨」は、郷土の自然、動物、言葉、文化をよく知り、それを愛することから生まれ、それが別の土地で生まれ育った他者の理解と愛につながっていく。
自分を育ててくれた土地や人を愛し、そうして育てられた自分への正しい愛を育むことが、他者への愛、そして真実に生きることにつながっていく、そう信じることをこれから私たちの道しるべにしなさい
真民さんは、そう語りかけているのではないかと思います。
あなたは何を真実として生きていますか?
念ずれば花ひらく
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